電子検印

 当エントリは、2010/06/03 に mixi の日記(全体公開)としてエントリした内容です。
 「ご時世」的に有用だと思うので、改めて「公開の場」に転載しておきます。





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 書籍の【奥付】ってのは本来【著者検印】を貼り付けるする場所なんだよね。
 でも、最近の奥付には「検印廃止」とすら書かれていない事が多い。
 つーか、殆ど記載してもいない。

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 昨今話題の【電子書籍】(電子出版)だけど、確かに【読み手】にとってはイロイロと便利な事が多いと思う。
 物理書籍よりも割安だし、本屋へ行かなくても買えるし、置き場所も取らないし。
 しかし【売り手】と【書き手】にとっては、あまり好ましくない存在であるのも事実。

 売り手:不正コピーによる売上減
 書き手:一括した冊数が刷られない事による(初版)印税の減少

 これを改善するには、【検印】を復活させれば良いんじゃね?
 ・・・って思った。

 実際、旧い書籍の奥付に『【検印】紙』が貼られているのを見た事はあると思うんだけど、ようはアレの「電子版」って事ね。

 1.出版時、著者が『電子的な【検印】』に署名を(まとめて)行う。
 2.出版社は、【検印】を貼り付けた『電子書籍』を販売する
 3.電子書籍のリーダは『正しい【検印】』の行われていない書籍を拒否する

 こうする事で「一定部数単位での出荷(準備)」が可能となるため、著者にとってもメリットは出てくる。
 そして、電子書籍の拡大と共に廃れて行く運命にある「物理書店」は、出版社から『端末の限定された【検印】』を受ける事で、「立ち読み用サンプル」を無償で入手する事が可能になる。
 もちろん、「その場で(ダウンロード)販売」する事が可能になれば「膨大な在庫」や「面倒臭い返品作業」などを抱える事なく『書店運営』が可能になる可能性が見えてくる。
 『図書館』などでも同様の措置により『閲覧』が行える上、『時間限定【検印】』を発行(仲介)する事で『貸し出し』(無償/有償)にも対応する事が可能になる。

 【検印】の技術は既存の DTCP / CPRM / AACS 等をベースにしても良いけど、『著者』と『販売者』の複数キーを多重に掛けられる様に拡張しなきゃならないのがミソ。
 複数の著者が居る様な場合などを考慮すると、結構な Field が必要になるかもしれないけど、ここら辺はヘッダ制御でなんとかなるだろうね。
 当たり前の事だけど【電子検印】に対応したリーダ類が普及するのも条件。

 などと考えてはみたんだけど・・・難しいだろうなぁ。

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